船生かぶき村 かわら版 令和5年3月29日
【★かぶき村に話題有り…。】
始まりかあれば、終わりがある。
朝が来れば、夜が来る。
初日が来れば、千秋楽が来る。
今日は、妃咲劇団さんの千秋楽である。
今日で、妃咲劇団の舞台も見納めです。
令和五年三月公演、皆さんには、本当に頑張って頂きました。御名残り惜しいけれど、これが 旅役者の宿命です。私も『旅役者』でした。ですから役者の気持ちと、『劇場主』の、気持ちを味わって来ました。
出逢いと別れの辛さが解ります。
何時の日か、再開できる日を楽しみにしています…。
【★てつや、巡業時代の思い出…。】
平成六十一年十一月一日。待ちに待った『ふぶき梨花』の、初舞台の日がやって来ました。
所は、北海道・天塩郡・豊富町の『ホテル・サロベツ』である。九月二十九日の朝、『劇団暁』の一座を乗せた飛行機が、チラホラと雪が舞う『旭川空港』に着くと、一座は、ホテルから向けられたバスに乗り込み、更に北上して、今回の公演地『ホテル・サロベツ』に、着きました。そして公演初日。私達は、そとの景色を見て、驚きました。それもそのはず、『旭川空港』で、チラホラと降っていた雪が『ホテル・サロベツ』の、辺り一辺の山々は、雪に覆われ、窓を叩きつける程の牡丹雪が降っていました。それも十一月一日。
未だかって、見た事のない光景でした。そこで一曲、歌を作りました。その曲がこれです。
三咲てつや。作詞作曲。唄・石井友喜。
『初舞台』。
【★てつやの五行ポエム…。】
私の、作詞作曲作品の中でも…、
快心作の一曲です…、
この曲を唄ったのは、石井友喜です…、
見事に表現してくれた、石井先生に…、
ただただ感謝しております…。
作詞作曲・三咲てつや。
【★初舞台、唄・石井友喜…。】
一、雪に霞んだ、 峠道…、
女の明日を、 決めた道…、
堅い絆を、 知った道…、
恋の道行き、 手を取り合って…、
雪のサロベツ、 初舞台…。
二、母は涙で、 頬濡らす…、
あえて無言の、 父の顔…、
不幸重ねて、 北の空…、
旅の一座の、 舞台は吹雪く…、
窓の向こうは、 牡丹雪…。
三、十一月の サロベツを…、
雪で覆った、 山や川…、
すべて貴方が、 道しるべ…、
これが私の、 女の一生…、
夫婦舞台の、 幕が開く…。
【★劇団暁の巡業はつづく…。】
『歳寄り劇団』・『老いぼれ劇団』と揶揄された、『劇団暁』に、待望の若い弟子が入門してきた。
昭和六十二年四月、『新潟ラドンセンター』公演中二十歳は過ぎていたが、丸々太った青年で、名前は『昆金正』。漫画『日本昔話』に出てくる、『金太郎』を思わせる風貌をしていた。
ところがどっこい、丸で女性を思わせる声で、彼が歌う歌が、また凄いのである。一世を風靡した『李香蘭』の様な歌声で、唄う歌も、『夜来香』。
『何日君再来』など。都はるみの『夫婦坂』『アンコ椿は恋の花』『涙の連絡船』の唄声が館内の御客様を驚かました。
風貌と歌声のアンバランスに驚いているのです。
また彼の『陰マイク』の評判は上々でした。まるで、女性アナウンサーのような声で語る
番組紹介や、曲目紹介などが絶品でした。
また、舞踊ショーでは、山下清よろしく、『おにぎり』を食べる仕草などは、客席を、笑いの渦に巻き込んだものです。
入門時には、あまり期待をしていなかった彼が、これほど活躍をしてくれるとは、本当に有難い『金太郎』君でした…。