てつやの秘蔵DVD 2017/03/03
【Eテレ日曜美術館より】 『相田みつを編』
大正十三年、栃木県足利市に生まれる。『書家で詩人』。
自分で思い描いた言葉を、自分独自の書で伝える。そして、誰にでも解る言葉で綴る事に徹して描くのを、モットーに表した庶民派書道家である。
彼の言葉に勇気づけられた人は数知れない。
幼い頃から短歌や書に夢中になり、十九歳の時に地元の書家に入門する。
二十三歳で、中国の『鄭文公費』を写譜。先人が残した言葉を、先人が残した書で、見事に書き納めたのである。
最高峰と言われる書展で、何度も入選。しかし彼は疑問を感じ始めました。そして皆んなが知っている、あの丸っこい書体が生まれたのである。
『つまずいたっていいじゃないか、人間だもの…』
『弱きもの人間。欲深きもの人間。偽り多きもの人間。そして人間の私…』
『いい事はおかげさま。悪い事は身から出た錆…』
『うばいあえば足らぬ、わけあえば余る。うばいあえば憎しみ、わけあえば安らぎ…』
『やれなかった、やらなかった、どっちかな…』
『生きているうち、働けるうち、日の暮れぬうち…』
『嘘は言わない、心に決めて嘘を言う…』
『自己顕示、自己嫌悪、私の心の裏表…』
どの言葉も、相田みつを自身の心の襞(ひだ)を表している。そして、私達皆んなが悩んでいるに違いない。仏の道にも通じる言葉に思えます。
NHKEテレの『日曜美術館』を見ていると、自分自身の凡庸さを痛感されます。自分自身が嫌になります。それでも見たい『日曜美術館』。
七十三歳、『三咲てつや』の昨日今日…。